# 学校の授業だから何でもコピーが許される?(複製…やっていい事、悪い事)

初めに…

平成16年1月1日施行の著作権改正法により、「学校その他の教育機関における複製」つまり著作権法35条の制限が拡大されました。

大きな改正点は、「学習者(教師、生徒)による複製」、「遠隔地での授業への公衆配信」などが著作権者の許諾を得ずに可能になりました。

また同時に「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」に該当するかどうかのガイドラインも作られました。

学校と名がつく機関なら何でも良いわけではなく、また当該教育機関であっても著作権の許諾が要らないとはいえ何をやってもいいという訳では有りません。

では、ガイドライン(やってはいけない事、注意すべき事)の中身を、簡潔に見てみましょう!

ガイドラインの中身について

著作権法35条(学校その他の教育機関における複製)が適用される機関

① まず、この著作権法35条(学校その他の教育機関における複製)が適用される機関は以下の通りです。

文部科学書が教育機関として定めるところ、及びこれに準ずるところ実際には、幼稚園、小中高校、中等教育学校、大学、短期大学、大学院、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校、専修学校、看護学校などの各種学校、大学校、保育所   社会教育においては、上記教育機関と同等の年間教育計画を有するところ  
×上以外営利目的の予備校、私塾、カルチャースクール、営利企業の社員研修など   学校開放などで教育機関以外の者が単に場所として学校を使用している場合  

学習者とは誰にあたるの?

教育を担任するもの、つまり授業を行う先生と、授業を受ける生徒(担任するものの指導下にあること)がそれにあたります。教育機関交流時の他校在校生なども含まれます。

③ 授業での使用…授業とは?

「授業」は、学習指導要領、大学設置基準などで定義されるもので、

クラスでの授業、総合学習、特別教育活動である学校行事(運動会等)、ゼミ、実験・実習・実技(遠隔授業を含む)、出席や単位取得が必要なクラブ活動、などがこれにあたります。また、部活動、林間学校、生徒指導、進路指導など学校の教育計画に基づいて行われる課外指導、なども含まれます。

ただし、「授業」にあたらない、「授業の過程」における使用にあたらない、以下のような場合は注意が必要です。

・学校の教育計画に基づかない自主的な活動(サークル、同好会、研究会など)
・授業に関連しない参考資料の使用
・校内LANサーバーへの蓄積
・学級通信、学校だより等への掲載
・教科研究会における使用
・学校ホームページへの掲載

これらを見ると、35条で許されている著作権許諾が本当に「授業」に限れらている事に気付きます。特に学校だよりやホームページ、研究会資料などは要注意です。

④ 限度と著作物の種類

 著作物の複製が認められるのは、授業の対象となる必要部分で、必要最小限の部分とするとされています。また複製などが許されるのは、著作者の許諾を得て公に提供・提示された著作物に限り、「未公開の論文、作文、手紙、日記、美術、写真、音楽」などの著作物は含まれません。

⑤ 「著作権者の利益を不当に害する」例です。教育機関で複製使用を許されたと言って何をやっても良いわけでは有りません。

以下に、NGになる事象や注意すべきことを挙げます。

児童、生徒、学生が購入を前提で利用している教材を、購入に変えてコピーしたりして使用すること(はNG)

検定教科書、参考書、問題集、ドリル、ワークブック、資料集、テスト、白地図、教材使用される楽譜、高等教育で使用される図書、ライセンス契約範囲を超えたソフトウェアのインストール使用、教材用の録音物・録音録画物(教育目的で作成、頒布されるもの)、レンタル用として頒布されたDVDなど

これらは、ついつい行ってしまいがちな違法行為ですので、ご注意ください。

本来の授業目的を超えた利用が行われる場合(はNG)

  必要な期間を超えて教室内外に掲示されることを目的とするもの、

  放送番組などをライブラリー保存目的で録音録画すること

複製の部数と態様

 原則として、部数は通常の1クラスの人数分。大学などの大教室での利用はあてはまりません。また小中高校でも複数の学級で利用することで結果的に大部分の複製となる場合もNGです。この辺の解釈は微妙ではありますが、教室の中で限定的に行われる場合はあまり意識しなくても良いと思われます。

 通信教育の教材や放送による授業の教材としてもダメですが、これらは「広く、多数の人に頒布する」目的では35条が適用されないという解釈だと思います。

 また、授業のたびに、同一新聞・雑誌などのコラムや連載記事を継続的に複製することも範囲外ですし、結果として大部分を複製する場合もNGなので、この辺も注意してください。

著作者人格権と出所明示

著作者の意図に反する内容の改変や編集は禁じられています。また著作物に記載された著作権表示の消去や改ざんも認められていません。

また、著作物を複製する場合には、複製物に著作物の出所を明示し、児童生徒学生による複製は、授業を担任するものが出所明示の指導を行う事となっています。

出所明示の内容としては、以下の項目を明示することが望ましい、との事です。

  • 書籍の場合     : 書名、作品名、著作者名、出版社名、 発行年
  • 雑誌・新聞の場合  : 掲載紙誌名、記事・論文名、著作者名、発行年月日
  • 放送番組の場合   : 番組名、放送局名
  • 音楽(CD)の場合 : 曲名、作詞・作曲者名、実演家名、レコード会社名   
  • 映画の場合     : 題名、製作者名、監督名、実演家名